104

思いを巡らすことの大切さ

砺波洋子です。蒸し暑い日々が続いていますが、健やかな毎日をお過ごしでしょうか?旅の話の最終回です。 ディナーの時間です。期待で胸が躍ります。会場に一歩足を入れると、向こう側に広がる景観に驚きました。室内と屋外が一体となった巨きな空間の中でお食事をいただくような設えになっていました。

お客様がおいでになる流れを丁寧に検証されているのでしょう。

ここで、お客様が驚かれる…。
ここで、お客様が喜ばれる…。
ここで、お客様が寛がれる…。

繊細な確認作業が、感動を生んでいました。

お食事がはこばれてきました。眼の前には66種類もの野菜が、まるでミニチュア・インテリアのように並べられています。野菜の味をそのまま引き出したお味は見事でした。「お客様のおからだが求められるものを、ゆっくりとお召し上がりください…」そんな優しいメッセージが伝わってきます。この旅で久しぶりに私は「旅はやっぱりいい」と感じましたが、その大本にあったのは、旅人を迎え入れるホストの方々の心の立ち位置だったように思います。ゲストを迎え入れると決めたホストの皆さんの「心のありよう」がすべてを左右します。

その地で生業をするにあたり、その地の恵みに感謝しながら共存していこうとする思い。ゲストの皆さんをお呼びするに当たり、自分たちにできること、自分たちがしなければならないことを一つ一つ丁寧に検証し確認しようとする思い。短い期間であっても、ゲストの方々が、できるかぎり幸せな気分になってほしいと心から希求する思い。これらは、わかっていてもなかなか実践できないことです。また、一度はできても、継続していくことはたやすいことではありません。私たちを迎え入れてくださったホストの皆様に心より感謝申し上げます。

末筆になりましたが、この旅にお誘いくださったKさんには、感謝、感謝、感謝です。彼女ご自身の感性の鋭敏さと、人としての崇高さが、あの宿との、あの宿のスタッフの皆さんとの、御縁につながったのだと思います。加えて、ご一緒させてくださったY・Kさん、ありがとうございました。

それでは。水分補給を欠かさずに…。